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任天堂のキャラクター展開について

 ものすごいザックリした説明になりますが、TVゲームっていうのは、システムとキャラクターの二点で成り立っています。システムだけで成立してるTVゲームっていうのは、ほとんどありません。麻雀とか将棋とか各種カードゲーム、あとTVゲームだとテトリスとかソリティアなど、ほんの少数です。それと、キャラクターだけでもやっぱりゲームは成立しません。キャラの絵とか設定とかどれだけ眺めていてもゲームは始まりませんから。ちょっとくらい操作できる余地(ゲームシステム)がないと、ゲームとは呼べません。


  任天堂のキャラクター展開の肝は、新しいシステムに親しみ易いキャラクター(マリオ等)を被せて売るってところと、シリーズを何作も重ねる過程で、キャラクターをちょっとずつ増やしていくってところにあります。


 新しいシステムのゲームっていうのは、どれだけ面白いものだとしても、ちょっととっつきにくい部分がどうしてもあります。新しいシステムってことは、誰も触れたことの無いシステムなわけですから。任天堂は、そこに親しみ易いキャラクターを据えることで、より広い層に訴求し易いようにします。だから、マリオオープンゴルフや、マリオカートなど、画期的なシステムを搭載したゲームにはマリオという任天堂を代表するキャラが登場し、そうすることで大ヒットすることが出来たのです。


 そして、任天堂は、そうやってマリオというキャラクターを新しいシステムのゲームを広める広報役として使いこなすだけではなく、そこから更にキャラクターを増やしていくことにも余念がありません。マリオがマリオという名前を与えられるより先に、名前を与えられ、全米デビューまで果たしたドンキーコング、今ではすっかりいじられキャラが板についてしまった弟のルイージ、恋人のピーチ姫、永遠のライバルクッパなどなど…。


 マリオ以外のキャラクターが充実することで、それらのキャラクターを一本立ちさせる、所謂スピンオフ作品も出せるようになります。マリオワールドで初登場した、ヨッシーのスピンオフ作品である、「ヨッシーアイランド」という作品を出すことで、横スクロールアクションというジャンルでも、本家マリオシリーズでは出来ないシステムを搭載したゲームを売り出すことが出来るようになるわけです。


 メイドインワリオというゲームをご存知でしょうか?ヒットしたゲームなんで、知ってる人は多いと思うんですが、このゲームの原型は、実は64DDのポリゴンスタジオに収録されているミニゲーム「サウンドボンバー」というゲームだったんです。サウンドボンバーを改めてやってみると、ゲームシステム自体は、この時点でほぼ完成してます。


 任天堂は、やっぱりそこでも、サウンドボンバーという画期的なシステムのゲームをそのまま売り出すってことはしません。ワリオというマリオブランドから派生したキャラクターを被せることで、ユーザーに親しみ易くして、売りだすんです。そうして、メイドインワリオは見事ヒットしました。このゲームの看板キャラクターが全く新しいキャラクターだったら、もしかしたら埋もれた名作として、一部ユーザーで語り継がれるだけの作品で終わってしまったかも知れません。(リズム天国はキャラクターも全く新しい状態で売ってるけど、それってやっぱメイドインワリオで下地を作ったからじゃないかと思う。)


 多くのゲームメーカーは、新しいゲームを作るっていう場合に、システムはさほど変わっていないのに、キャラクターだけ変えて新しいゲームって言ってしまったり、せっかく画期的なシステムを作れたのに、キャラクターでも冒険し過ぎて、ユーザーがとっつき辛くなり、作品を埋もれさせてしまったりしてます。


 任天堂というメーカーがその他大勢のメーカーと違う点を上げるとすれば、それは、冒険するなら、冒険する部分を絞り込むってことと、冒険をより安全なものにするための保険を忘れないところだと思うのです。


 しかし、そんな任天堂でも、システムとキャラクターの両面で、冒険をする時があります。任天堂がそういう冒険をする時っていうのは、相当気合入れてる時です。システムが画期的過ぎて、従来の任天堂キャラクターでは収まりきらないってことです。そうやって生まれたヒット作が、「WiiSports]、「WiiFit」、「WiiMusic」等の一連のMiiを中心に据えたWiiシリーズや年末に新作が発売される「どうぶつの森」なのですね。