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ゲームの点、線、面

 ポケットモンスターを作った田尻智は、STG初期の傑作、グラディウスには批判的で、その理由はレーザーの存在にあると述べていた。その批判は、グラディウスのレーザーは直線的に真っ直ぐ発射され、貫通力があるのだが、それだけではなく自機の上下移動に併せて、レーザーも上下に移動してしまうため、STGの肝である「狙い撃つ」という動作が希薄になってしまっているってな内容だった。

 
 この内容を自分なりに言い直すと、「狙い撃つ」という行為は、「点」もしくは「線」、あるいは「限定された面」、もっと言えば「限定された時間における面」で行われるべき行為であって、グラディウスのレーザーは、あまりにも無制限に出しっぱなしだし、攻撃がだだっ広い「面」で行えてしまう上に、オプションがついた日には、もう「狙い撃つ」っていう行為がどっかにいってしまっているってことになると思う。


 この考え方を3次元のゲームに適用してみよう。3次元のゲームは、X軸Y軸Z軸という3つの座標軸によって「空間」が表現されているため、従来の面、線、点の操作だけでは、空間が把握しきれなくなっている。そして、そもそもTV画面は基本的に平面なので、平らな画面で、3次元空間の奥行きを把握することが非常に困難だ。


 そこで、3Dのゲームは、二つの面を操作することで、空間内でのゲームを可能にしようとしている。FPSを例に考えてみよう。FPSは主に二つにスティックによって、移動と照準を操作する。一つのスティックで「地面」という面を移動し、もう一つのスティックによって「画面」という面を動かす。つまり、「地面」と「画面」の二つの面を操作し「位置」と「方向」を制御し、画面の中央に照準という「点」を配置することで、狙いを定める。そして、最後に敵との「距離」という「線」の問題を、敵との間合いを一気に0にしてしまう魔法のアイテム、「銃」によって克服したのが、FPSというジャンルなのである。


 FPSというジャンルはキャラクターと視線と画面が一致しているので、これでもまだ、操作が簡略化されている方なのだけれど、TPSや3Dアクションとなると操作の問題はもっとややこしくなる。


 マリオを例に出すと、横スクロールのマリオは、基本的にコースが右側に伸びる一直線のコースで、自分が操作するキャラクターや、敵キャラは、線の上に存在する点として処理すれば良かったが、3次元空間の場合、面の上に操作する点として処理しなければならない。もちろんその際に、画面の方向を適正な位置に調整しなければならないのだ。もちろん画面の奥行きだって把握しなければならない。


 マリオ64というゲームは本当に良く出来た傑作中の傑作なのだけれども、3Dゲームの問題点を一気に噴出させているにも関わらず、天才的な業で面白く仕上げてしまった、史上最大の問題作とも呼べる作品なのである。3D空間を自由に動きまわるためのデバイスである、ニンテンドー64の3Dスティックというデバイスは、「面」を操作するためのデバイスというしては、非常に優れていたが、「空間」を操作するためには、まだまだ至らないデバイスであったのだと、後出しジャンケン的に今でなら思う。


 任天堂自身そこには自覚的で、最新作のマリオギャラクシーにもその辺の試行錯誤が表れている。まず球状地形という無限に続く「面」の地形を用意すること、そして球状地形なら、カメラも上方に配置すれば障害物にさえぎられることもなく、カメラ操作をプレイヤーに委ねず、すべて自動制御に出来たことで、二つの面の同時操作という、敷居の高い操作系を緩和したこと等など…。


 しかし、それでもまだまだなんだと思う。もっと空間をダイレクトに鷲掴みにするような操作が出来ないものなのか?だれもが遊べる3Dゲームってないものなのか?という考え方のもとにWiiリモコンを登場させたのだと思う。そして、この春に登場するモーション+という追加デバイスで面、線、点の操作を、個別にではなく、一瞬にして、直感的に行えるようになるのではないかと私は思っているのだけれど、どうなるのでしょうかね?
 

あんまりまとまってないけどこれで一端おしまい。ゲームの「面」「線」「点」についてはまたそのうち。