システムが先かストーリーが先か


RPGとADVの最大の違いは主人公に成長要素があるかないかだと思う。


成長要素というものがあることによって、プレーヤーは初期状態ではとても突破することが出来ない敵や障害を超えることが出来るようになる。


それに対してADVは成長要素が基本的に無いので、プレーヤーは元々持っている能力で障害を突破するしかない。


これにより、RPGは未成熟なキャラクターが成長する成長物語がジャンルの大半を占めることになり、ADVは刑事や探偵、弁護士という既に能力を備えている推理モノや、ホラー、男女の恋愛モノが多くを占めることになる。


つまり、テレビゲームというメディアにおいてストーリーの多くを規定するものは、そのゲームのシステムなのである。


そのためゲームのストーリーを論じる際には、それ以前にそのゲームのシステムに対する洞察が無いと、核心に迫ることは難しいと僕は考えている。


ちなみにドラクエ7というタイトルは、RPGの王道な成長ストーリーと、主人公達の力では解決しようの無いストーリーを平行して描くかなり意欲的な挑戦をしていたのではないかと今になって思うのである。


あと「泣けるギャルゲー」ってのは、未成熟な主人公を成長要素のないADVというジャンルに放り込んで、解決不能な問題に直面させてしまうことで、ある種の宿命性というか、運命みたいなものを演出しようと企まれたゲームなのではないかと思うのだ。