読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

今一番求められているものは「体系」なのではないか

 今一番求められているものは「体系」なのではないか。今やネット上でいくらでも映像やら文章やら音楽やらが転がっている世の中なわけだが、それらを結ぶ「体系」だったり、「歴史」、だったり「物語」、みたいなものがイマイチ希薄だなと思うのである。


 昨今のちょっとした料理ブーム(特に男子料理ブーム)が起こった一因として、一番身近に味わえる体系的行為だから、バラバラなものを組み合わせて一つの成果物を作るということが癖になるから、ってのがあるんじゃないかなと思っている。


 そのような、「体系」を欲する世の中に本当になっているとしたら、まず登場してくるのが、圧倒的な情報量で武装した人間で、その膨大な情報量でもって、縦横無尽に色んなジャンルの色んな作品を語りたおすってな感じのものがもてはやされたりするんだろうけど。でもそういうやり方の人はあまり長持ちはしないと思う。なぜならその膨大な情報量をストックしつづけることが困難になるからだ。


 んで、そうなってくると次に登場するのは、少ない情報からその分野の本質みたいなものを上手に抽出できる人なんじゃないかなと思う。膨大な情報をチェックしなくても、要点を押さえることの出来る、勘所を押さえるセンスのある人というか。


 でも、そんなにセンスのある人ってのはそうは居ないし、居てもそのセンスを高い状態で長い時間キープすることは非常に難しい。だから度々、圧倒的情報量で武装した人に足を掬われたりする。


 そんな感じで新しい「体系」を巡って、膨大な情報を押さえる派と、少ない情報から要点のみを押さえる派で綱引きするような感じで歩みを進めるのがこれからの世の中なんじゃないかとなんとなく思っているのである。橋本治の「「わからない」という方法」でこれに近い話があったようなないような。