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ゲームの体感系コントローラー競争はきっと盛り上がる

この記事を読んでいろいろと思うところがあったので、書いておく。
ゲーム読解 :eライフ :テクノロジー :日本経済新聞


 この記事では、今年のE3で各社から発表された体感系コントローラがどれも先行きは厳しいみたいなことが書かれているが、僕の考えは逆である。ってかこの書き出し前の記事と全く一緒だな、まあいいか。僕が、体感系ゲームの先行きに楽観的な考えをもっているのには大きく3つの理由がある。


 一つは、マイクロソフトが予想を超えてデカイハッタリをかましてきたことだ。上の記事を書いた新清士氏が指摘するように、確かに、「Project Natal」のイメージムービーはちょっとやりすぎなんだけれども、あそこには、誰しもが一度は夢に描いたあまりに魅力的なゲームの未来へのビジョンが確実にある。あの手の新しいデバイスに最も重要なのは、実際のゲームの出来以上に、最初のインパクトのデカさではないかと僕は思うのである。

 
 おそらく、実際に出来上がるゲームは、非常に大味なゲームが多くなるのではないかと思う。でもそんなことは瑣末なことなのではありませんか?少なくとも僕は21世紀のバーチャルボーイを買う気持ちで買おうと思います。国内は厳しい結果になりそうだけど、地元のアメリカなんかでは結構受けるんじゃないかと思う。あとは、このデバイスをマイクロソフトが10年計画くらいで、真剣に取り組んでくれたら本当にすごいことになりそうな気がするんだけど、そこが一番心配なんだよな…まあそこは、ちょうどこなれてきた辺りで、任天堂がサクッとおいしいとこ持ってってくれるかな。


 もう一つの理由は、パーティゲームにおいては、モーションコントローラの存在は、既に必要不可欠な存在になっているんじゃないのか?ってことがある。新氏は、Wiiリモコンのフィードバックの薄さを指摘している。確かに、実際のスポーツをリアルに再現しようとすれば、それに付随するリアリティを伴ったフィードバックがあったほうが、ゲームとしての質は向上するだろう。しかし、皆でワイワイ楽しむパーティゲームの場合は、そのような厳密なフィードバックはむしろ不要な場合が多いのではないかと思うのである。


 もし新しいハイパーオリンピックで、リアルに重い砲丸を体感できても、パーティの場にはそぐわないのではないかと思う(個人的には是非やりたいけど)。パーティゲームで重要なのは、誰にでも楽しめる単純明快なゲーム内容と、それで盛り上がる場の臨場感ではないだろうか。その意味で、身体の単純な動作を認識し、ゲームに反映するWiiリモコンを始めとするモーションコントローラを使用したパーティゲームは、今後も多くのユーザーに必要とされるのではないかと思うのである。「Project Natal」も最初はパーティゲームをたくさん出してくると思うよ。そしてそれは少なくない反響を生むのではないかとも思っている。


 最後の理由は、任天堂が思った以上に早く、モーションコントローラ、及びそれを使用したゲームの内容を次のステップへと進めようとしてることである。


今だからこそ振り返ろう、「WiiFit」とはなんだったのか? - 枯れた知識の水平思考


 この記事で指摘したように、WiiFitというゲームは、無意識レベルの微細な動きをゲームの入力として採り入れたという点で、その他のモーションコントローラとは、設計思想の点で大きな違いがある。従来の入力の拡張としてのモーションコントローラなのではなく、従来、入力と認識していなかった動きを感知するインターフェースなのである。


 おそらく、WiiSportsResortに付属する、Wiiモーション+も、たんなる動作の拡張のためにつけるのではなく、プレイヤー自身が認識しきれていなかった、時としては余計な入力を感知するために付属されたのではないだろうかと僕は考える。宮本茂のインタビュー記事から少し引用しよう。


「多くのゴルフゲームはどうしてもメーターを見てボタンを押す内容になっていました。そこで、自分でショットの強さや打つ方向を調整でいないかと考えていたのですが、このゴルフではそれをかなり実現できたと思います」(宮本)。確信に満ちた宮本氏の言葉どおり、『Wii Sports Resort』のゴルフでナイスショットを打つために重要なのは、肩の力を抜いてスウィングすること。つまり、本物のゴルフをするときと同じ心がけが通用するというわけだ。

宮本茂氏からWii向け『ゼルダの伝説』最新作の話題も―任天堂ラウンドテーブル - ファミ通.com


 ここで語られていることは、かなりゲームの核心をついたことだ。従来のゲームで最も重要な要素は、「タイミング」である。的確なタイミングで的確なボタンを押す。従来のゲームのほぼ大半はこれでクリアすることが可能と言っても過言ではないくらいである。ちなみにその事実を明らかにしたゲームが「メイドインワリオ」だ。



 しかし、任天堂WiiFitやWiiSportsResortを通じて、ついに、ゲームにタイミング以外の要素、それはつまり「力の量」という要素を大々的に取り入れようとしているのである。思えばその取り組みはニンテンドウ64のコントローラに付属していた、3Dスティックによって、10年以上前から試されつづけていた取り組みである。しかし、3Dスティックは、十字キーにとって変わるほどに、汎用的なデバイスにはなったけど、アナログな入力機器としてはもの足りない部分も多かったと思う、基本的には、全開に倒して使っちゃうわけだし。F-ZERO X」なんかは大分頑張ったほうだとは思うんだけどね。あとナムコネジコンはかなり良かった。何時の間にか消えたけど。あと、「ボタンの入力回数」=「力の量」になっているのがバルーンファイトね。


 この「タイミング」という要素からついに開放されたゲームが開く地平に、僕は少なくない期待をしている。Wiiリモコンが出てこれだけの短期間の間に結構な質的転換が為されているのだ。WiiSportsResortがWiiSportsの単純な続編、単なる発展系と捉えていると、その本質を見誤るのではないかと僕は考える。


 以上、簡単にまとめると、未来へのデカイ花火が上がったこと、既にパーティゲームに欠かせない機器として定着しつつあるのではないかということ、内容的にも充分な変化/進化を果していることという3つの理由から、僕は、今後起こるであろう体感系コントローラ競争は充分に盛り上がるのではないかと思っている。まずはもうすぐ発売されるWiiSportsResortの出来映えと、世界的なセールス結果を楽しみに待ちたい。これがコケたらいきなりおしまいだしね。僕が間違ってたら素直に皆に謝ります。もし僕の言ってたことが正しかったら、今後、新氏の発言には、上から目線で接していこうと思います。