逆転裁判とゴーストトリックの関係性

 まあ結論から言っちゃうなら、逆転裁判ゴーストトリックという2タイトルの関係性は、ゼルダとマリオとの関係性に似てる。


 ゼルダというゲームは、自分一人では何も出来ない主人公が自分の外部から力を得たり借りたりすることで、最終目標地点へと向かうゲームだ。


 それに対してマリオというゲームは、既に自分の身体に備わった能力を巧みに活用することだけで、最終目標地点へと到達することが可能なゲームだ。


 違う言い方をするなら、ゼルダは自分の外側にある「鍵」を探すゲーム。マリオは、自分の内側にある「鍵」を活用するゲームだとも言えるだろう。


 逆転裁判は、どちらかと言えばゼルダに近いゲームだと言えるだろう。証拠品や、証人や容疑者からの証言という名の「鍵」を突き止め、突きつけることによって進行するゲームなのだから。


 そして、ゴーストトリックは、既に備わっている自分の力を活用するというゲーム内容から、マリオに近いゲームだと言える。


 ゼルダ型のゲーム全般に言えることとして、主人公キャラクターとして、少年、または少女が相応しいということがある。無力な少年少女が、外部から力を得ることで成長するという成長物語のフォーマットに、ゲームのフォーマットが適合し易いからである。


 では、マリオ型のゲームに相応しい、主人公のキャラクターとはどのようなものなのかと言えば、それは成熟した大人のキャラクターなのである。既に完成された能力を持っているマリオに成長は不要なのだ。映画やアニメのキャラクターで言えば、007とかルパン三世がそれに近い。マリオがゲーム中でゲットするアイテムは、成長要素というよりも既に圧倒的に強い007がボンドカーに乗って秘密兵器装備してもう最強過ぎ、みたいなもんなのである。


 マリオやゼルダというタイトルが傑出しているのは、ゲーム内容が優れているということと同じくらいに、キャスティングが優れているからである。そして、逆転裁判シリーズとゴーストトリックが優れているのもまた、ゲーム内容が優れているのと同じくらいキャスティングが優れているからなのだ。特にゴーストトリックの主人公キャラクターについては、ネタバレになるからあんまり触れないけど、ゲームキャラクター論としてあまりに優れているので、是非とも続編も作って欲しいと思う。