ゲームの神に愛されたゲーム

 ゲームの神、中でも3Dゲームの神ってのがいたとして、その神に最も愛されてるゲームがあるとしたら、それはFPSっていうゲームジャンルに属するゲームだと思う。


 FPSってのは主観視点、つまり画面に移っている絵がそのまま自分の視点になっているゲームで、主に銃などの遠くまで届く、飛び道具を用いて戦うゲームのことだ。


 このジャンルの何が凄いかっていったら、3Dゲームを作る上での宿命とも言える、カメラワークというものを考える必要がほぼ無いってことだ。なにせ、画面丸まる自分の視界なんだから、プレイヤーはカメラなんてわざわざ意識せず、自分の視線を操作することに、集中すれば良いのだ。


 そして、第二の利点として、3Dゲームというのは、平面のテレビ画面に、奥行きのある空間を映しているので、どうしても、現実の空間より、距離感がつかみ辛いという問題があるのだが、FPSというジャンルでは、銃という武器をメインにすることで、この問題もほぼ解決してしまっている。


 銃という武器は、ちょっとやそっとの距離の誤差なんて関係なしに、照準さえあっていれば、目標に当たってくれる武器なんで、距離のとり辛い3Dゲームにおいて、これほど便利な武器ってないのである。これが、攻撃手段が殴るだとか剣で切るとかだと、微妙な間合いをはかるっていうことが重要さを増すんだけど、銃だと、そこまで精妙な間合いを図る必要はない。まさに、現代の3Dゲームのためにあるような武器なのである。


 とまあこのように、FPSというゲームジャンルは、3Dゲームにまつわる重大な問題点を、FPSの基本システムの時点でほぼ克服してしまっているのである。これを神に愛されたジャンルと呼ばずしてなんと呼ぼう。FPSゲームの制作者は、余計な問題に頭を煩わせることも無く、ただただ、ゲーム内容をより良くしていくことに、没頭すれば良いのだ。PS3や、XBOX360で、FPSの傑作、秀作が数多く生まれているのも必然的なことなのである。


 ただ、そんな恵まれたジャンルであるFPSも日本では対して人気がない。日本人はなんていうか3Dゲームそのものが、あんまり好きじゃないっぽいからね。3Dゲームの神もそこまでは、どうにもできなかった模様です。


 でもいつかなんかしらのきっかけさえあれば、突然FPSが日本でブレイクする日がくるかもしれません。それが何時になるのか、どんなゲームになるのかまではオイラにもわかりません。