実はゲームと萌えは相性が悪い

増田にこんな記事があった。

実はゲームとアニメは相性が悪いのではないか?

 ブコメなどでも指摘されてるように、ドラクエの存在とか、アニメも大ヒットしたポケットモンスターとか、ゲームがヒットした流れで、とうとう映画化までされたレイトン教授みたいな例もあるわけだから、決してアニメとゲームが相性悪いってことは無いと思うよ。


 でも増田が言いたいのは、ちょっと違うと思うんだよ多分。増田はおそらく、深夜にやってるアニメみたいな感じのゲームってあんまりヒットしてないし、実は相性悪いんじゃってことが言いたんじゃないかと勝手に推測する。でもそれはゲームとアニメの相性以前の問題で、深夜アニメにしても、昨今話題のJRPGにしても、あまりにもわかる人にはわかる、分からない人にはわからないっていうお約束の集積で出来過ぎているところがあるから、そもそも大ヒットする余地自体がほとんどないと思うんだよ。


 まあでもJRPGの代表と言えるFFシリーズは世界レベルで売れてるんだよね。この辺がJRPGの話をややこしくしてるんだけど…。でもFFはキャラクターに関しては、目を極端に巨大に描くとかっていう漫画的、アニメ的お約束をほぼ排除してるってのが大きいと思う。だからイケメンだらけだのなんのかんの言われても世界中の人が支持してるんじゃないかな。でもそれにあらためてデフォルメを加えてまさかのディズニーキャラと競演を果たしたキングダムハーツシリーズも世界レベルでヒットしてるっていう…。野村キャラが世界的に支持される理由は改めて考察する必要がありますな。まあでもディズニーキャラとFFキャラが競演してるゲームが日本含めて世界(主にアメリカ)で売れたっていう事実がある以上、アニメとゲームの相性は決して悪くないと言えるんじゃないでしょうか。


 んで、自分がこの文で言いたいことってのは、アニメとゲームはそれほど相性が悪いわけではないんだけど、実は萌えとゲームってのは相性がかなり悪いと思うってことなのだ。そもそも「萌え」って感情(って言っていいのか?)は、能動性を伴わないそれ自体で完結したものだから、能動性があってなんぼのゲームっていうメディアとは相当上手くやらないと折り合いが付けられないと思うんだよ。極端な話がセックス萌えって言わないでしょ?ペッティング萌えとかさ。行為に及んでる最中なんだから相手の動きとか反応に常に気を配って、最善の一手を次から次へと繰り出す必要があるわけで、萌えとか言ってる場合じゃないと思うんだ。だからノベルゲームとかリアルタイムに時間が経過しない恋愛SLGなら萌えに浸る時間を確保できるので、相性はそれほど悪いわけではない。でもときメモのキャラって萌えのテンプレとは大分外れてんだよね。最近セガサターン版の好感度最悪状態で藤崎詩織に告白するとどうなるかっていう動画みたけど、なんなのアレ?普通に主人公の存在ごと侮辱されちゃってましたけど。まあそれはいいか。


 だから、ラブプラスを語る言葉にそれほど「萌え」っていう言葉が飛び交わないのは、あのゲームって萌えてる暇が無いからですよ。他人の視線を常に意識して、一瞬の隙を見逃さずにキスにもちこまなきゃなんないからね。大変なのよ。


 最近話題のときメモヤンデレヒロインは、なんかゲームシステム的に保証されてた筈の自由度を根本から破壊して、主人公とくっついちゃうそうですね。これって萌えはプレイヤーの能動性を破壊することによって成立するってのを逆に証明しちゃっていないかなって思うんですよ。まあ実際やったわけじゃないから、まだ断定は避けますけどね。


 まあなんていうか、ゲーム業界が中途半端に萌えブームに踊らされてなんか不必要に萌えキャラをゲームに入れ込んでた時期って自分的には相当な暗黒期でしたね。萌えって本当に細分化され過ぎてていれ込めば入れ込むほどに、ユーザーを遠ざける効果だってあるのにねえとか思ってました。萌えは用法用量を守って使って欲しいです。