手のひらサイズのスケール感

 先日の3DS体験会に行ってきましたんで、その感想をつらつらと書きます。体験してきたゲームはパイロットウイングスリゾートnintendogs+catsパルテナの鏡バイオハザード、あとカメラを動かせるメタルギア3Dのデモです。ゼルダは行列が半端じゃなかったので、映像で済ませてきました。他にもスターフォックスだのマリオカートだのの映像を見たりしました。


 去年から映画が3D元年なんてことを言われたり、家電量販店でも3Dテレビが多く売られるようになったりしまして、自分的にも映像が立体で表示されるってことについて色々と思いを巡らせることが多くなっていたんですが、3DSを体験してきたことで大分整理がついてきました。自分なりに考えた映像が3D化することによって得られる機能というか効能は以下のようなものになります。


 映像が立体化することで、映像のスケール感を見ている人により正確に伝えるようになってしまう。


 これはどういうことかと言えば、大きな画面が立体化すれば、そのまま観客は大きいなと思ってしまうし、小さな画面が立体化すれば、観客はそのまんま小さいなと思ってしまうということです。


 映画「アバター」が、IMAXで観ることがベストであると散々言われるのは、大きな画面で観ないと小さな世界に見えてしまうからですね。


 あの映画は、普通の人間より大きな身体つきをした青い人達(名前忘れた)を人間と大きさが対比できるように映したり、まず普通サイズの飛竜をたっぷり映した後で、特大の飛竜を登場させたり、普通サイズのヘリコプターの後に巨大なガンシップを飛ばしてみたりと、画面内で大きさを対比させるシーンを多く用意していました。あれは観客に懇切丁寧に映画のスケール感の「説明」をしてたんですね。


 ではIMAXに比べたら格段に小さい3DSという携帯ゲーム機で3D映像を見るとどうなるかと言えば、小さい画面の中の非常に小さい世界を覗き込んでるような気持ちになるんですね。


 なんかこういう書き方するとすごくネガティブなことを言ってるように思われてしまうかもしれませんが、自分の印象はむしろ逆です。自分が体験した3DSタイトルはどれも興味深かったですし、映像だけでも非常に興味をそそられました。スターフォックスとかゼルダは昔散々プレイしてプレイ感覚を容易に想像できるだけになおさらです。


 サードパーティの出展タイトルではメタルギアのデモが素晴らしかったです。ゲーム映像が立体化する意義みたいなものを、小島監督はキッチリ考えてデモに反映してるなあと思いました。映像的には派手なヘリコプターや戦闘機が飛ぶシーンよりも、目の前で蝶や枯れ葉が舞うシーンの方がよりインパクトがあるんですね。ちょっと心配になったのはスネークがゲーム中で歩くシーンがなんか小さい人が歩いてるように見えたことなんですが、この辺をどう落とし込むかも含めて非常に気になるタイトルだと思いました。


 ちなみにバイオもグラフィックすごい綺麗だったよ。あとジルのケツが立体化してて実在感が半端無かった。3D最高!!


 んで、3DSってのは「小さな手応え」とか「小さな実在感」みたいなのを演出するのにすごく適したハードだなって思ったんですが、これってやっぱ任天堂の得意技なんだよね。だから3DSってのは任天堂ゲーム、マリオとかゼルダとかマリオカートだのにスゴく追い風を吹かしまくるハードだなって自分は体験会を通して思っちゃいました。特に映像まだ見てないけど、ピクミンは半端じゃなくハマると思います。


 あと映像が3D化することで、今までと異なるデフォルメ手法が必要になるのかなとも思いました。


 どうぶつの森とかnintendogsの猫のグラフィックって正直ちょっとキモいかもとか思ってたんですが、実機でみたら全然普通っていうか丁度いいの。3Dから2Dに落とし込む時には情報量の適度な削ぎ落としが必要だと思うんですが、3DSだとそのデフォルメされたものへもう一度情報量の盛り込むみたいなことをすると丁度いい塩梅になんのかな〜とかね。特にどうぶつの森の雰囲気は素晴らしかったなあ。今まで気にしたこともなかったプレイヤーキャラクターの横顔の平面性が逆に気になったりもしたんだけど。


 あと、これは3DSに限らないゲームが3D化する意義みたいなことなんですが、大雑把に言えば、映画ってのは、映像の持つ意味を把握するメディアなんだけど、ゲームってのは、映像の持つ機能を把握するメディアなんですよ。


 映画が3D化しても映像の意味に変化が起きるかと言えばあまり変わらないし、変えるとしたらジェームズ・キャメロンが「アバター」でやったように相当周到にやる必要があると思うんだけど、ゲームの映像が3D化することによって、映像の機能自体は変わらなくても、機能の把握し易さは格段に向上するなって思ったんですね。


 こんなことを思ったのは、3DS版のゼルダの映像を見たからです。やっぱ当時としては盛り込み過ぎなほどに3次元要素盛り込んだあのゲームは立体化することで、いい感じにゲーム画面が整理整頓されたなって思いました。スターフォックスリメイクの映像でも似たようなことを思ったんですが、このことは実際に発売されてプレイして再度確かめたいと思います。


 そんなこんなでサクサク遊べて、色々発見があって、ライブでは感動出来てとても楽しいイベントでした。3DSの発売を楽しみにしたいと思います。


 あ、そういえばパルテナは普通に面白かったよ!本当だよ!!