コールオブデューティ4とQTEの話

 そろそろ世代交代しそうな今世代において最も高い評価を得たソフトの一つと言えば、コールオブデューティ4(以下CoD4)だが、何故このタイトルの、特に一人で遊ぶキャンペーンモードが高い評価を得たのかと言えば、ストーリーの最初から最後まで共通の操作系でクリア出来るようにゲームを設計し通したことに寄る部分が大きい。


 最初から最後まで狙って撃つという動作によって目の前の問題を解決出来るようにゲームが設計され、それに沿ったストーリーが展開する。ストーリー部分の素晴らしさと同等以上に重要なのは、ゲームプレイ部分の設計の巧みさなのである。


 んで、残念ながらCoDシリーズの最近のタイトルや、CoDシリーズのライバルタイトルと言えるだろうバトルフィールド3を、このようなゲームプレイとストーリーの密着度という観点から評価すると、劣化してると言わざるを得ない。


 なんでかと言えば、これらのタイトルは最後の最後で狙い撃つ動作を放棄して、QTEでゲームを締めようとしてるからだ。


 QTE自体が悪いとは言わない。場合によっては非常に効果的なゲーム要素ではある。しかし、これらのタイトル内でのQTEの問題は、狙い撃つというゲームプレイからタイミングよくボタンを押すというゲームプレイへと、唐突にゲーム内容が変化してしまうってことにある。これまでの自分の体内に蓄積したゲーム経験が全然無用の長物と化してしまうのが問題なのである。


 その点ゴッドオブウォーシリーズはゲームプレイの要所要所にQTEを組み込み、ボス戦のクライマックスには常にQTEを配置することで、QTEが唐突に挟まれるのではなく、一連のゲームの流れとして自然にQTEが存在する一つの様式を作り、この問題に一つの解を提示していたと思う。


 
 凝ったカット割りやらカメラワークを施した映像とゲームを摺り合わせるのには、QTEってのは非常にコストパフォーマンスが高い。今後もQTEが無くなることは無いだろう。


 リアルな戦争モノFPSが最後にQTEを使わざるを得ないのにはもう一つの理由がある。それは所謂ゲーム的なボスキャラクターを配置し辛いってことである。


 その点SF要素を強めたギアーズオブウォーのラスト等は潔いまでの巨大ボスキャラクターが現れて野太いビームをこちらめがけてぶっ放してくれる。こちらもQTEがどうとか狙い撃つという動詞でウンタラとか考えるまでもなく大量の弾丸をぶっ放す事で応戦すれば良いのである。


 リアルな戦争を舞台にする場合、結局最後の黒幕は同じ人間であることが多いため、ヘッドショット一発で死んでしまう。それを最高のシチュエーションで放てるように設計されたCoD4は後世に語り継ぐべき一作になったが、これ以降ネタが尽き気味になってるのも事実なんだろうなと思う。ちなみにポータル2のラストも狙い撃つという動作を貫徹しててCoD4に負けず劣らず素晴らしいです。


 最後に新しい解決策でも示せれば鮮やかなんだけど、それをほいほい思いつくなら苦労はしないよって話なので、唐突に終わる。