いつか読みたい(書きたい?)ゲーム本

 「任天堂 "驚き"を生む方程式」を読了。もともと日経BP社って日経ビジネスとかでちょくちょく任天堂のインタビューやら特集を組んでいたんで、今回の本は、それらの総集編的な内容といっていいと思う。大変面白かった。まあでも、日経ビジネスでの任天堂記事をほとんどウォッチしてるような熱心な任天堂ファンにとっては、新しい発見みたいなものはあんまりないかも。つーかおそらく日経ビジネスって任天堂前社長である山内溥のインタビューを最も多く行ってきた媒体だと思うので、その内、それらインタビューを全部まとめた本でも出してくれませんかね?吠えまくりぶった切りまくりのすごい本ができあがると思うんだけど。


 こういった良質な任天堂本が出るのはとても良いことだと思うのだけど、個人的には、よりディープな本が読みたいなと思う。今回の本はビジネス誌的な側面が強いが、そろそろ、任天堂が作りだすソフトに関する作品論、任天堂にいるソフト制作者たちの作家論だけで一冊本を出して欲しいなと思う。


 特に、ゲームクリエイターとしての宮本茂にスポットを当てた本をいつか読みたい。夏目房之介の名著「手塚治虫はどこにいる」みたいな本。


 宮本茂はゲームを作り始めてからのキャリアが相当長い。そのため宮本茂の動向と、他のゲーム会社の動向を並行して語るだけで、結構おもしろいことになると思う。ザックリ書くとこんな感じ。

  • 90年代前半 成熟 SFCの時期。マリオもゼルダもシリーズを重ね、完成度も向上し、クリエイターとしては、円熟の時期を迎える、反面革新性ではちょっと弱いかも。そしてこの時期と言えばなんと言ってもスクウェア、それとスト2
  • 2000年代前半 模索 ゲームキューブの時期。クリエイターとしてはちょっと一線を引いてた時期、マリオやゼルダを次世代の若手に任せるなど、継承の時期でもある。この時期って国内市場全体が本当に寂しかったなーって印象あるなしかし。というわけで、この時期に並行して語られるべきは、当時完成度を猛烈に向上させていた洋ゲーであり、その中で一本挙げろといわれれば、GTAしかないでしょう。


 こんな感じで、宮本茂をとおしてゲーム業界史を俯瞰するってな本を誰か書いてくれませんかね?
もし俺が書いたら、90年代後半の64期が異常に長いアンバランスな構成になります。